最近、日常生活で大きく困っているわけではないのに、ふとした場面で「え、今なんて?」と聞き返すことが時々ありました。特に、周りが騒がしいとき——友人との歓談、スーパーのレジ、店内BGMがある場所——では、相手の言葉がよく聞き取れないことがあリマした。
そんな違和感を抱えながら思い返すと、私は約30年前に突発性難聴を発症していたことを思い出しました。当時はすぐ治療を始めたおかげで、日常生活に支障がない程度まで回復しました。あまりに昔のことなので、ほとんど忘れていた出来事です。
右耳だけのはずが、左耳も同じくらい聴力が落ちていた
健康診断の聴力テストで「高い音が少し聞きづらいみたいですね」と言われたことがあります。そのときは「過去に突発性難聴を患いました」と答え、加齢の影響もあって「少し聴力が落ちてきたのかな」くらいの感覚でした。
ところが数か月前、本格的な聴力検査を受ける機会があり、驚きました。
難聴を患ったのは右耳だったので左耳は問題ないと思っていたのに、左耳も右耳と同じくらい、特に高音域が落ちていたのです。
「なるほど、最近聞き取りづらかったのはこういうことだったのか」と腑に落ちた一方、日常生活が破綻するほどではないので、特にこれといった事はしませんでした。
ただ、友人たちとのグループでの会話が一番不便を感じました。周囲がざわつくと時々聞き取れない時があり、特に楽しい飲酒の席では、余計、聞き取れないことが、たびたびあったように思います。
AirPods Pro3のヒアリング補助機能を使ってみた
補聴器が必要というほどではないけれど、少しの不便さを解消したいと思っていました。そこで試してみたのが、AirPods Pro3です。(ヒアリング補助機能は、AirPods Pro 2と3に提供されています。ここでは,以下AirPods Proと表記します)
使ってみて大正解でした。
まず、スマートフォンとペアリングして(iPhone)画面をタップしながら、ヒアリングのテストをしていきます。その人の聴力に合わせて、聞こえ方を調整するようです。
一番よかったのは「見た目のハードルが低い」こと。
補聴器のように見えず、普通にイヤホンをしているだけに見える。これだけで心理的にだいぶラクでした。そして実際に効いたのが、**外音取り込み(Transparency)**と、その調整機能です。AirPods Proでは、会話の聞き取りを助ける機能(Conversation Boost など)も装備されています。
もう一段助けになるのが、ライブリスニング(Live Listen)。iPhoneをマイクのように使い、その音をAirPodsへ送れます。Apple社も「騒音の多い環境での会話」などで役立つ可能性を明記しています。
私は、普段は終日使用しませんが、友人らとの会話で周囲がうるさい時は、なるべく使うようにしています。この運用でちょうど良いくらいでした。

母にも勧めたら、効果あり! “困りごと”が1つ減った
この体験で安心感が出たころ、私の高齢の母のことを思い出しました。母は私以上に聴力が落ちていて、電話の呼び出し音がよく聞こえず困ることが度々ありました。周りからも、電話をかけてもつながらないと、たびたび言われていました。
そこで、同じようにAirPods Proを購入し使ってもらいました。以前、首にかける集音器タイプを使用していましたが、うまくいきませんでした。しかし、今回のAirPods Proは、装着感も悪くなく、終日装着しています。 そしてよく聞こえるとの事で反応も上々でした。長く使ってもらいたいものです。
「日常生活での困りごとが1つ減った」ようで、ひと安心です。小さな親孝行ができました。
イヤホン=会話できない、ではない(むしろ逆のことも起きる)
外から見ると「イヤホンをしている=話しかけないで」に見えることがあります。
でも、外音を取り込み機能を使用すると、状況によっては“聞こえ”が補われる。仕組みとしては、イヤホン内蔵マイクで外音を拾って音を増幅させて、聞きやすくするイメージです。機能を正しく切り替えていれば、イヤホンをしていない人よりも、実際は、大きく聞こえている。おそらく、これから、イヤホンをしていても、話かけられにくいということが、減って欲しいものです。
日本と米国で違う、補聴器に対するスタンス
日本では、補聴器となると医療機器とし認識されているようです。そこで、このAIrPods Proは、聞こえを助けるアクシビリティ機能として、その必要な場面で対処するために使用するものとなっています。軽度であれば問題ないですが、重度で聴力がかなり落ちていて、医療機器としての補聴器が必要な場合は、正しく診察を受けて補聴器を使用されることをお勧めします。
一方、米国では、このAirPods Proにて使用する機能は、市販補聴ソフトウェアとして初めて承認されており、軽度〜中等度の聞こえづらさを自覚している人に対応できるという位置付けになっています。

テクノロジーを味方にして、うまく活用し、年齢を重ねる
もちろん、AirPods Proは医療機器ではありません。
しかし、こうして身近なデジタル機器が、私たちの「小さな不便」をさりげなく補ってくれる時代になりました。 「聞こえづらさ」を我慢するのではなく、最新技術を楽しみながら取り入れる。
取り入れられるものは、積極的に取り入れて、これからのシニアライフをより豊かに、より自由にしてくれるのではないでしょうか。
世界中のエンジニアたちが、私たちの「もっと聞きたい、もっと話したい」という願いを叶えてくれる世界を、もっと簡単に実現してくれることを望んでいます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました


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