電話詐欺の「実情」と「具体的対策例」ご紹介

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はじめに:電話は「出る前」に勝負が決まる

かつて電話は「繋がってから」が対話の始まりでした。しかし、見知らぬ番号からの電話に応答することは、プロの詐欺師の仕掛けに足を踏み入れることを意味します。 今の時代、自分を守る最強の武器は「登録電話番号以外、直接電話に出ないこと」

1. 【実情】現代の電話詐欺、4つの主要手口

現代の詐欺は、相手の「恐怖」「焦り」「親切心」を巧みに利用します。

  1. 親族を装う「オレオレ詐欺」の進化
    • 手口: 息子や孫を装い「不倫相手を妊娠させた」「会社の金を使い込んだ」と泣きつく。
    • 最新動向: AIによる音声合成で、本人の声にそっくりな音声を使って電話をかけてくる事例が国内外で確認されています。
  2. 還付金詐欺(役所・税務署を騙る)
    • 手口: 「医療費の払い戻しがある」と電話し、期限が今日までだと急かしてATMへ向かわせる。
    • 罠: 通話しながら操作を指示し、「振り込み」を「受け取り」だと思い込ませて送金させます。
  3. サポート詐欺・架空料金請求
    • 手口: PCの警告画面やSMSの「未払い料金」通知から電話をかけさせる。
    • 罠: 「ウイルス除去」や「法的手続き回避」名目で、Apple Gift Card等の電子マネーを買わせ、番号を読み上げさせます。
  4. 警察・官公庁を装う「ナリスマシ」
    • 手口: 警察官等を名乗り、「あなたの口座が犯罪に利用されている。調査のために資産を一時預かる」と電話。
    • 罠: 偽の逮捕状をLINEで送るなどして信じ込ませ、指定口座に全財産を振り込ませます。

2. 【心理面】なぜ「わかっていても」騙されるのか

詐欺師は単なる嘘つきではなく、人間の脳のバグ(脆弱性)を突くエンジニアです。

  • 「恐怖」によるトンネル視覚: 「逮捕」「訴訟」と言われた瞬間、脳はパニックに陥り、周囲の状況が見えなくなる「トンネル視覚」状態になります。
  • 「親切心」の悪用: 「助けてあげたい」という善意を逆手に取り、冷静な確認作業を「薄情な行為」だと思わせる心理的圧力をかけます。
  • 「一貫性の原理」: 一度電話に出て話し始めてしまうと、途中で切ることに罪悪感や抵抗を感じてしまう心理を利用します。

3. 主な具体的な対策例

① iPhoneの「ライブ留守番電話(文字起こし)」をフル活用する

私が使用するiPhoneで、この文字起こし機能が優秀なので紹介します

  • 機能: 知らない番号からかかってきた際、応答せずに見守ると、相手が話している内容がリアルタイムで画面にテキスト化されます。
  • メリット: 犯人の「声」をシャットアウトし、冷静に「内容だけ」を確認できます。怪しい文言が出た瞬間に着信を拒否すれば、次に進める隙を与えません。

Phoneの通話中文字起こしは、iOS 18.1以降を搭載したモデル(iPhone 12以降など)であれば、標準の「電話」アプリで通話録音ボタンを押すことで自動的に文字起こしが可能。通話中に録音を開始し、相手に録音の通知が流れた後、終了後にメモアプリで全文と話者区別されたテキストが自動作成される。 

② 「登録番号以外」は直接応対しない

  • 電話帳に登録していない番号からの着信は、**「まず出ない」**を徹底します。
  • 非通知着信は対応しない、無視する。名を名乗らずドアをノックするようなもの。
  • 本当に用事がある相手なら、必ず留守電にメッセージを残すか、別の手段で連絡してきます。

③ 「検索」と「アプリ」で正体を暴く

  • ネット検索: 電話を切った後(または文字起こしを見ながら)、その番号を検索エンジンで調べます。「電話番号ナビ」などのサイトで、すでに詐欺報告が上がっているケースが多々あります。
  • 電話帳アプリ(Whoscall等)の利用: データベースと照合し、着信時に「迷惑電話の可能性」と表示してくれるアプリを導入することで、未知の番号への不安を軽減できます。

4. 本質を見極める:英語圏に学ぶ

英語圏では「Unknown Number(不明な番号)」は、応答する価値のないものとして扱われるのが一般的です。 一方、日本には「かかってきた電話には出るのが礼儀」という文化がありますが、これは詐欺師にとって好都合でしかありません。これからの時代、**「直接電話に出ないことは、自分と家族を守る誠実な行為である」**と意識をアップデートする必要があります。

免責事項: 本記事に含まれる情報は、2026年時点の統計および事例、各デバイスの機能仕様に基づくものであり、全ての詐欺被害を完全に回避することを保証するものではありません。具体的な被害の懸念がある場合や、不審な電話を受けた際は、速やかに最寄りの警察署(#9110)や消費者ホットライン(188)へご相談ください。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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