やる気は後からついてくる。動けない自分を卒業する方法

思考

【やる気の正体】

「やる気が出たら始めよう」 そう思って、気が付けば数時間が過ぎていた……という経験はありませんか?

実は、脳科学の観点から見ると、この「やる気を待つ」という行為そのものが、目的の達成を遠ざける最大の罠です。なぜなら、やる気とは行動の「前」にあるものではなく、行動した「結果」として生まれるものだからです。

今回は、動けない自分を責めるのをやめ、脳の仕組みを理解して「勝手に体が動く状態」を作る方法を解説します。


【脳のしくみ:動かなければスイッチは入らない】

私たちの脳には、やる気を司る**「側坐核(そくざかく)」**という部位があります。ここからドーパミンが分泌されることで、私たちは集中力や意欲を感じることができます。

しかし、この側坐核には困った性質があります。それは、**「何らかの刺激(行動)が入力されない限り、決して活動を始めない」**という点です。

ドイツの心理学者クレペリンは、これを**「作業興奮」**と呼びました。 「掃除を始めたら、いつの間にか熱中して家中ピカピカにしていた」 「書き出しは面倒だったのに、数行書いたらスラスラ言葉が出てきた」 これらはすべて、行動によって側坐核のスイッチが強制的にオンになった状態です。つまり、やる気を待つのは「エンジンをかけずにガソリンが湧き出すのを待つ」ようなものなのです。


【体験1:早朝ランニングのこと】

私にとって、このことを一番実感しているのは、早朝ランニングです。

冬の寒い朝、温かい布団の中で「走るやる気」を探しても、絶対に見つかりません。脳は「現状維持バイアス」によって、エネルギーを消費するランニングを全力で拒否しようとするからです。

ここで必要なのは、意志の力ではなく**「動き出すこと」**です。

  • 前日のセットアップ: 枕元にウェアを置き、玄関にシューズを並べる。
  • 目標の最小化: 「5km走る」ではなく「外に出て靴を履く」だけをゴールにする。

朝、目が覚めると、意識的に何も考えないようにして、ひたすら着替えをします。とにかく外に出ることに集中します。外に出て、ひんやりとした空気に触れ、足が地面を叩き始める。その「刺激」が脳に届いた瞬間、ようやく作業興奮が始まり、体は「走るモード」へと切り替わります。
走り出してしまうと、意外と体もついてきて、後で、あの辛さはなんだったろうと考えることがよくありました。


【体験2:投資という「他人事」を「自分事」に変える】

投資も全く同じです。 NISAや投資リスクなどについて、机の上で理論だけを学ぼうとすると、そのハードルの高さに脳がブレーキをかけます。

しかし、まずは証券口座を開き、「1000円」でもいいから実際に買い付けてみる。

するとどうでしょう。それまでの経済ニュースが、なんか気になる、と変わります。株価の変化を気にするようになり、もっと学びたい、もっと勉強したいという「やる気」が後から追いかけてくるのです。これは投資を小さく始めた頃によくありました。額は小さいですが、なぜか、ニュースが気になったり、購入した株の値動きを毎日みてみたり。自分でやってみるとものの見方が明らかに変わってきます。

【結論:今までの考え方を変えよう】

「やる気は、やり始めたら出てくる。やる前には出てこない

この本質を理解していれば、自分を精神論で追い込む必要はなくなります。やることは、気合を入れることではなく、脳がスイッチを入れざるを得ない「最初の一歩」をいかに小さく始めるか、それだけです。

人生を変えていく力は、泥臭い「最初の一歩」です。 この小さな一歩が大きくなっていくことで喜びに変わります。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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