「老後資金を守るために」と銀行のパンフレットを集めてみたが……難解すぎてAIに読ませたら、意外な事実を突きつけられた話 Vol.1

AI

【本記事について】 このシリーズは、**「もし金融知識ゼロのシニアが、銀行のパンフレットをAIに読み込ませたらどうなるか?」**を検証するドキュメンタリー風記事です。 実際のパンフレットやデータを使用していますが、会話パートなどはAI活用をわかりやすく伝えるための構成となっています。

■はじめに:専門用語の壁と、頼れる助っ人

「人生100年時代。老後の大切なお金、ただ銀行に置いておくだけでいいのだろうか?」

そんな漠然とした不安から、資産運用の勉強を始めようと思い立ちました。 まずは情報収集だと、いくつかの銀行から投資信託や「お任せ運用プラン」のパンフレットを取り寄せてみたのです。

数日後、手元に届いた資料はとてもカラフル。「資産寿命を延ばそう」「プロにお任せ」といった頼もしい言葉が並び、シニア世代の夫婦が笑顔で旅行している写真が印象的でした。「これなら安心できそうだな」というのが第一印象でした。

しかし、いざ中身を読み込み勉強しようとすると…… 「目標リターン」「収益分配金」「信託報酬」「特別分配金」……。 聞き慣れない専門用語のオンパレードで、正直、何が良いのかさっぱりわかりません。「これは素人が手を出してはいけない世界なのだろうか?」と、早々に挫折しかけました。

そこで、ふと思いつきました。 「そうだ、最近話題のAIに、このパンフレットを読み込ませて解説してもらおう」

私は手元のパンフレットと、投資信託協会が発行している「教科書(投資信託ガイド)」のPDFをAIにアップロードし、こう指示しました。 「この商品のリスクとコストを、専門用語を使わずに小学生でもわかるように教えて」

するとAIは、パンフレットの華やかな写真には目もくれず、**「小さな文字で書かれた数字」「グラフの不自然な点」**を次々と指摘し始めました。 そこには、私が全く気づかなかった「衝撃の真実」が隠されていたのです。

■AIの指摘①:「長持ちする」はずの資産が、現金より早く消える?

まずAIが指摘したのは、パンフレットに大きく載っていた「運用シミュレーション」のグラフです。 そこには「運用しながら取り崩せば、現金で持っておくよりも資産寿命が延びます(長持ちします)」という、右肩下がりのなだらかな線が描かれていました。

しかし、AIは冷静にこう分析しました。

「パンフレットの隅にある『積極運用コース』のグラフを拡大してください。よく見ると、運用をした赤い線が、ただの現金取り崩し(青い面)よりも先にゼロになっているケースが描かれています」

AIによると、これは「暴落している時に資産を取り崩すと、減少スピードが加速する」という現象(シークエンス・オブ・リターン・リスク)だそうです 。 「資産寿命を延ばすためのプランなのに、逆に寿命を縮める可能性も、実は正直に(小さく)書かれています」というAIの解説に、背筋が少し寒くなりました。

■AIの指摘②:「毎月分配」の正体は、自分の足?

次にAIが注目したのは、「毎月の受取金」についての記述です。 私は「運用した利益がお小遣いのように毎月もらえるなんて最高だ」と思っていました。

しかし、AIは投資信託協会のガイドブック(P21)の記述を引用して、こう警告しました。

「パンフレットには『分配金』とありますが、利益が出ていない月は**『元本払戻金(特別分配金)』**が支払われます。これは文字通り、あなたの預けた元本を払い戻しているだけです」 

さらに検証するため、銀行でよく売れている「ある毎月分配型ファンド(ここではファンドPとします)」の成績表(月次レポート)をAIに分析させてみました。

すると、AIは以下の数字を弾き出しました 

  • 設定来の分配金合計: 約7,000円を受け取っている。
  • 設定来の基準価額: 約5,900円も値下がりしている。

「つまり、これまで受け取った分配金の大部分は、『利益』ではなく『自分の貯金(元本)』が削られたものです。手数料を払って、自分の貯金を毎月引き出しているのと同じ状態と言えます」

専門用語で煙に巻かれていたら、絶対に気づかない「タコ足配当」の真実でした。

■AIの指摘③:見えないコストの重さ

最後にAIが計算してくれたのが「コスト」です。 パンフレットには「購入手数料」などは書かれていますが、AIは「隠れたコスト」まで計算してくれました。

AIの試算によると、この「ファンドP」の実質的な保有コストは、年率約1.7%程度 。 一方で、比較対象として調べた「インデックスファンド(ファンドE)」のコストは、年率0.6%程度でした 

「パンフレットにある『堅実コース』の目標リターンは年1%です。しかし、保有コストだけで1%以上かかる可能性があります。1%の利益を目指すために、1%以上のコストを払う計算になりますが、これは数学的に合理的でしょうか?」

AIの問いかけは、あまりにも論理的で、反論の余地がありませんでした。

■結論:わからないまま契約してはいけない

銀行の資料は嘘をついているわけではありません。パンフレットにも、嘘は書かれていませんでした(すべて小さく書いてありました)。 ただ、知識のない私が「雰囲気」だけで、もし契約していたら……と思うとゾッとします。

専門用語がわからなくても、今はAIという「優秀な翻訳機」がいます。 もし、資産運用の勉強で魅力的なパンフレットを見つけたら、その場で信じ込まず、一度AIに「これ、本当はどうなの?」と聞いてみてください。

AIは忖度なしで、数字の真実を教えてくれます。それが、あなたの大切な老後資産を守る最初の防衛線になるはずです。

【コピペOK】AIへの分析依頼プロンプト

パンフレットをスマホで撮影するかPDFで用意し、AI(GeminiやChatGPTなど)に以下の文章と一緒に送ってみてください。

あなたは中立的で論理的なファイナンシャル・アナリストです。
添付した投資信託の資料(パンフレットまたは月次レポート)を読み込み、
専門用語がわからない初心者に向けて、以下の点を辛口に解説してください。

  1. 【コスト】
    この商品を持つと、毎年合計で何%くらいの手数料がかかりますか?
    利益(リターン)の目標に対して、その手数料は高すぎませんか?
  2. 【分配金】(毎月分配型の場合)
    「利益」から出ている配当と、「元本の取り崩し(タコ足配当)」になっている配当、
    どちらの可能性が高いですか?
  3. 【リスク】
    パンフレットのグラフやシミュレーションに、
    「資産が逆に早くなくなるリスク」や「元本割れのリスク」についての
    小さな注釈や不都合なデータが含まれていないか探してください。
  4. 【結論】
    もしあなたの親がこのパンフレットを持ってきたら、
    この契約に賛成しますか? 反対しますか? 理由とともに教えてください。

■結びの言葉

「わからない」を、武器に変える。

「プロが言うから安心」と信じ込むのは、もう終わりにしましょう。 私たちには今、AIという「忖度(そんたく)しない参謀」がいます。
わからないことは、持ち帰ってAIに聞く。 たったそれだけで、「賢い投資家」になれるのです。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

【免責事項】
本記事は、資産運用に関する一般的な情報提供および、AIツールの活用事例を紹介するものであり、特定の金融商品の勧誘や売買の推奨を目的としたものではありません。

  1. AIによる分析について
    記事内で提示しているシミュレーションや計算結果は、生成AIが公開情報に基づき推計したものであり、その正確性や完全性を保証するものではありません。実際の契約条件や手数料については、必ず当該商品の目論見書や契約締結前交付書面をご自身でご確認ください。
  2. 投資判断について
    投資には元本割れを含むリスクが伴います。本記事の情報を参考にされた結果生じたいかなる損害についても、筆者は一切の責任を負いかねます。最終的な投資判断は、必ずご自身の責任において行ってください。

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