現役時代に私が感じていた、仕事の流儀なるものを、少しづつ思い出してみたので、記事としてまとめてみたい。
真面目な人ほど、仕事を抱え込みます。
「自分がやった方が早い」
「いちいち頼むのも悪い」
「ちゃんとまとめてから相談しよう」
これ、全部わかります。私もそうでした。
でも抱え込んだ瞬間、仕事って不思議なくらい止まり始めるんですよね。
大きな案件ほど、何から手をつけていいか分からなくなる。
結果、動いてるようで動いてない日が続く。
この“抱え込み渋滞”を減らすために使っていたのが、大きな仕事を小さくして、投げられるものは投げる——ボール投げ理論です(私が勝手にそう呼んでいた)
あるある:抱え込むと「進んでないのに疲れる」
抱え込んでいるときの特徴って、だいたい同じです。
- ずっと頭の片隅で案件が鳴っている(休んでいても気になる)
- 何から手をつけるか決められず、着手が遅れる
- 確認が必要な部分が出た瞬間に止まる
- 結局、最後にまとめて強制的に片づける
そして翌日、こう思う。
「自分、要領悪いのかな……」
でも、ここは検証しておきたい。
要領や能力の問題というより、仕事の持ち方(組み立て)の問題であることが多いです。
ボール投げ理論の結論:仕事は「抱える」より「流す」
私が現役時代に強く意識していたのは、これです。
- 大きな仕事は、そのままだと投げられない
- 投げられない仕事は、自分の手元で滞留する
- 滞留が増えるほど、進捗感が消えて焦りが増える
だから最初にやるべきは、頑張ることではなく、小さくすること。
そして、投げること。
「抱え込むのが美徳」に見える場面がある分、あえて言葉にして“技術”として持っておく価値があると思っています。
手順は4つ:分解 → 投げる → 並行作業 → 合流
ボール投げ理論は、やること自体はシンプルです。
分解:大きなボールを小さなボールにする
案件を受けたら、まず内容を精査して、作業を細かいブロックに分けます。
ポイントは「なんとなく」ではなく、成果物や確認単位で切ること。
たとえば「来週の会議で説明資料を作る」なら、こんな感じです。
- 目的とゴールの整理(自分)
- 論点整理(自分)
- 過去データの抽出(依頼できる)
- 参考事例の収集(依頼できる)
- 図解・グラフ作成(依頼できる/自分でも可)
- 最終ストーリー整形(自分)
- 想定問答の準備(自分)
最初から「資料作成」という大きな塊で抱えると、必ず重くなります。
だから、投げられるサイズに落とします。

投げる:投げられるボールは、すぐ投げる
分解したら、次は仕分けです。
- 自分しかできないこと
- 他の人でもできること(お願いできること)
そして、お願いできるものは即投げる。
返事待ちは時間がかかります。だから先に投げる。
ここでよくある落とし穴は「まとめてから依頼しよう」とすること。
まとめている間に、返事待ちの時間が後ろへズレていきます。
結果、全体が遅れます。
投げられるボールは、早く投げた人が勝ちです。
並行作業:返事待ちの間に、自分のボールを進める
投げたら、返事が来るまで止まる——これが渋滞の原因です。
だから、返事待ちの間は
自分しかできない作業を先に進めます。
これで「待ち=停止」が消えます。
進捗感も戻ってきます。
合流:返ってきたボールを合流して仕上げる
依頼したものが戻ってきたら、合流させます。
このとき重要なのが「合流させる場所」を決めておくこと。
- データはこの表に入れる
- 事例はこのスライドに挿す
- 図解はここに載せる
合流ポイントが決まっていると、戻りが来た瞬間に作業が前に進みます。
依頼が返ってこない問題:投げ方が9割
「依頼したのに返ってこない」も、あるあるです。
でも、これも多くの場合、相手のやる気というより依頼の形の問題です。
投げるときは最低限、次の3点セットが有効。
依頼の3点セット
- 目的:なぜ必要か
- 要件:何を・どの粒度で・どんな形式で
- 期限:いつまでに(できれば時間まで)
たとえば、こうです。
「会議資料の1枚目に入れたいので、2019〜2021年の月次売上データをExcelでください。今週水曜15時までに欲しいです。」
これだけで、戻ってくる確率と品質が上がります。
手戻りが減ります。
つまり、合流がスムーズになります。
注意点:投げすぎると逆に遅くなる
弱点も書きます。
ボール投げ理論は万能ではありません。
- 投げ先が増えすぎると、合流で詰む
- 依頼が雑だと、手戻りで詰む
- 合流設計がないと、最後に爆発する
対策はシンプルです。
- 投げる相手は最小限
- 依頼は3点セット
- 合流ポイントを先に決める
非同期の仕事って何?
非同期の仕事とは、相手が今オンラインでなくても、仕事が進むように、情報を文章や資料に残して各自が都合のいいタイミングで処理する進め方です。リモート/ハイブリッドが増えた今は、「すぐ返事が来る前提」で段取りを組むと、返事待ちがそのまま渋滞になります。
だからこそボール投げ理論が効きます。案件を小さなボールに分解し、投げられるものは先に投げて返事待ちを前倒しする。その間に自分の作業を進め、戻ってきたら合流して仕上げる。非同期でも仕事を止めないための、実務的な型です。

まとめ:抱え込みは性格じゃなく、手放す技術で減らせる
真面目な人が抱え込むのは、責任感が強いからです。
でも、責任感が強いほど、仕事が止まるのはもったいない。
大きなボールは小さくする。
投げられるボールはすぐ投げる。
返事待ちの間は自分のボールを進める。
戻りを合流して仕上げる。
これが、私のシンプルな「ボール投げ理論」です。
これらの仕事に関わる流儀を、これからも、いくつか記事にしていきたいと思います
最後までお読み頂き、ありがとうございました


コメント