老後の支出は「得か損か」だけじゃない。『気分の残高』も加える

思考

老後って、お金より先に「気力」が減ります。だから同じ支出でも、財布より“気分”に響いてくる。その話をしたいと思います。

若い頃は多少の無理がききます。多少の寝不足、多少の移動、多少の付き合い。

でも年齢を重ねると、支出のダメージは財布より先に、体と気分に出てきます。つまり老後のコストとは「お金が減ること」に加えて、回復力が削られることでもあります。

「コスト意識が高い」と聞くと、どこか“ケチ”っぽい印象があるかもしれません。

でも、老後のコスト意識は、節約の話ではありません。むしろ逆です。

老後に守るべき資源は、お金だけじゃない。

時間体力、そして意外と大きいのが気力です。

若い頃は多少の無理がききます。多少の寝不足、多少の移動、多少の付き合い。

でも年齢を重ねると、支出のダメージは財布より先に、体と気分に出ます。

つまり老後のコストとは「お金が減ること」だけではなく、

回復力が削られることでもある。


投資対効果(ROI)は便利な指標。でも老後の評価を取り違える

ROIは 投資対効果。(Return on Investment)

「払ったお金に対して、何が返ってきたか」を測る考え方です。

この考え方は便利です。自己啓発や生活改善では、この支出をこう解釈します。

  • 時短になった(=時間が戻る)
  • 健康投資で将来コストが減る
  • 学び直しで成果が増える

全部、理にかなっています。

ただ、老後の現実に当てはめると、ROIだけでは足りない瞬間が増えてきます。

なぜなら、老後のリターンは「お金」や「成果」ではなく、

  • 安心
  • 納得
  • 心の軽さ
  • 翌日に疲れが残らないこと
  • 人間関係の温度

こういう“数値にしづらい回収”が、生活の質を大きく左右するからです。

ROIで正しい支出をしているのに、なぜか満たされない。

その原因は、気分が落ち込むことが原因の時もあります。


老後の新しい指標:「満足度÷金額」+「疲れの残り方」

そこで、考え方を変えて、支出の見方をこう変えることです。

支出を「満足度÷金額」で見る。

さらに老後らしく、もう1つ足します。

「翌日に疲れが残ったか?」

やり方はシンプルです。

  • 満足度:(満足)/(普通)/(後悔)
  • 疲れ:翌日に残る(はい/いいえ)

そしてルールはこれだけ。

「後悔が2回続いた支出」は、次週“置き換え”を検討する。

大事なのは、いきなり全部を削らないこと。

「削る」より「置き換える」。これが継続のコツです。

同じ1万円でも、価値が違う:具体例

例1:外食

同じ外食でも2種類あります。

  • 食後に「良かった」と残る外食
  • 食後に「またやってしまった」と残る外食

老後は、カロリーや金額よりも、

食後の気分が翌日の元気を作ることがあります。

例2:便利(時短)

食洗機、家事代行、タクシー。

ROI的には「時短=得」になりやすい。

ただし、ここに落とし穴があって、

浮いた時間が“余白”にならず、別の雑務に吸われることがあります。

その場合、回収できているのは「時間」だけで、「気分」ではありません。

だから老後では、時短の次にこう問いかけます。

この時短は、私の余白を増やしたか?

例3:安心のための支出

保険、備蓄、健康グッズ。

安心を買うつもりが、逆に不安が増えることがあります。

  • “持っているのに不安”
  • “買ったのに落ち着かない”

このタイプは、費用よりも、安心感が高コストです。

老後は「安心できる支出」を、リスクの範囲内で、買った後の現実的な評価をした方が良いです。


結論:コスト意識は“幸福のための取捨選択”

老後のコスト意識は、全て節約ではありません。

後悔と疲れを減らし、納得と自由を増やすための判断技術です。

投資対効果の物差しは今後も役に立ちます。

ただ、老後ではそこにもう1つ加える。

  • 気分の残高
  • 疲れの残り方

この2つを指標に加えると、

「正しいのに苦しい」から、「納得できて楽」に変わっていきます。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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