35年の「ノイズ」を脱ぎ捨てて。私がたどり着いた、取り残される喜び「JOMO」の境地

思考・人生観

問いをたてる
これは、仕事をしていると必ずぶつかる問題です。上手い人は、自分の判断軸を持っています。ここの考え方を調べてみました。

SNSの通知が鳴るたびに、反射的に画面をチェックしてしまう。友人の楽しそうな投稿を見て、なぜか自分が損をしているような、取り残されているような気分になる――。

そんな「心のざわつき」を感じたことはありませんか?現代の人間関係において、この不安は特別なことではありません。しかし、その正体を知り、考え方を少し変えるだけで、心は驚くほど軽くなります。

今回は、私自身の35年にわたる会社員生活と、その後の静かな生活の中で行き着いた**「FOMO(フォーモ)」と「JOMO(ジョーモ)」**という2つの生き方について、老子の知恵を交えながらお話しします。

誰もが陥る「FOMO(取り残される恐怖)」の罠

**FOMO(Fear Of Missing Out)**とは、直訳すると「取り残されることへの恐怖」です。 具体的には、「自分がいない場所で、みんなが盛り上がっているのではないか」「自分だけが大事な情報を知らないのではないか」という不安を指します。

私の体験談:かつての「つながり」への強迫観念

現役の会社員だった頃、私は常にこのFOMOの中にいました。みんなと同じ行動をしないと、何か置いてきぼりされているような気持ち。とにかくみんな同じ事をすることに気を遣っていました。

SNSが普及してからは、さらに拍車がかかりました。夜中にふと目が覚め、スマホをチェックする。誰かのリア充アピール、「自分はこんなに真面目に寝ようとしているのに、彼らは人生を楽しんでいる」と勝手に比較して落ち込む。そんな日々を過ごしていました。

これは、自分の人生のハンドルを「他人の動向」に預けてしまっている状態です。


視点を変える魔法「JOMO(取り残される喜び)」

この視点を変えた発想が、JOMO(Joy Of Missing Out)、つまり「取り残されることを喜ぶ」という考え方でした。

JOMOは、単に情報を遮断して引きこもることではなく、「自分にとって本当に大切なこと」を選び取り、それ以外をあえて見逃すことに「喜び」を感じる姿勢です。

JOMOへ転換したきっかけ

定年退職後、私は「つながり」を整理しました。最初は、仕事のメールもSNSの通知も来ない毎日に、強い「取り残され感」を感じました。しかし、ある日の朝、福岡の公園を散歩している時に気づいたのです。

「誰の投稿もチェックせず、ただ朝日を浴びて歩いている今の自分は、これまでのどの瞬間よりも自由だ」

他人のキラキラした日常を追いかけるのをやめた瞬間、目の前のコーヒーの香りや、窓から見える景色が鮮やかに色づき始めました。これが「JOMO」の入り口です。


老子の「知足」が教えてくれる人間関係の整理術

2500年前の哲学者・老子は、まさにこのJOMOの先駆者と言える教えを遺しています。それが**「知足(ちそく)」**です。

「足るを知る者は富む」

これは「今の自分ですでに十分であると気づくこと」を意味します。 人間関係で悩む人の多くは、「もっと多くの人に認められたい」「もっと広い人脈を持ちたい」という不足感に苦しんでいます。しかし、老子は「外側に求めれば求めるほど、心は貧しくなる」と説きました。

人間関係の「引き算」

JOMOの実践とは、人間関係の「引き算」です。

  • FOMO的関係: 数を重視し、嫌われないために合わせる。疲弊する。
  • JOMO的関係: 質を重視し、孤独を恐れず、本当に共感できる人とだけ繋がる。

老子が説いた「無(何もないこと)」の価値。部屋は壁があるからではなく、中の「空間」があるからこそ役に立つのと同じで、私たちの心も「予定や人間関係を詰め込まない余白」があってこそ、本当の豊かさが宿るのです。


英語圏と日本の「JOMO」の違いから本質を見極める

JOMOという言葉は英語圏から広まりましたが、日本的な感覚と合わせると、より深く理解できます。

視点英語圏のJOMO日本・老子的なJOMO
捉え方デジタルデトックス(自律)執着からの解脱(精神の安定)
メリット生産性、自己管理能力の向上心の平安、自然との一体感
人間関係自分の境界線を守る縁に任せ、無理をしない

欧米では「自分の時間を自分でコントロールする」という強さが重視されますが、東洋(老子的)な視点では「そもそも比較する必要がない」というしなやかさが強調されます。この両方をバランスよく持つことが、現代のストレス社会を生き抜くコツです。


人間関係に悩むあなたへの「3つのきっかけ」

今、もしあなたが人間関係やSNSに疲れているなら、以下の3つを試してみてください。

  1. 「通知オフ」という聖域を作る 1日のうち、例えば「20時以降はスマホを触らない」と決めます。最初は不安かもしれませんが、その時間に本を読んだり、ただ家族と話したりすることで、「世界から取り残されても何も困らない」という事実に気づけます。
  2. 「行きたくない誘い」を一度だけ断ってみる 「行かなければならない」を「行かない喜び」に変えてみましょう。断ったことで空いた時間に、自分が本当に好きなことをする。その時、不思議な解放感(JOMO)を感じるはずです。
  3. 「今の自分」を実況中継する 他人の投稿を見る代わりに、今の自分の状態に目を向けます。「今、私は温かいお茶を飲んでいて、とても心地よい」と心の中でつぶやく。老子の言う「今、ここ」に集中する練習です。

実践!「情報の断捨離」とJOMOの育て方

JOMOは、単に孤独になることではありません。「自分にとって何が重要か」を自ら決定する強さを持つことです。

SNSアプリとの決別

私は現在、SNSアプリを頻繁に見に行くことをやめました。「誰がどこで何を食べているか」を知らなくても、私の人生の価値は1ミリも損なわれないと気づいたからです。

「納得感」を優先する行動リスト

「他人からどう見られるか」ではなく、「自分がどれだけ納得できるか」を行動の基準にしました。

  • 週に一度の外出: 自宅にこだわらず、外の空気を吸いに行く。それは「どこか話題の場所」である必要はありません。ただ、その時の空気が心地よく、自分が満足できればそれで完結します。
  • 情報の「プル型」化: 流れてくる情報(プッシュ型)を受けるのではなく、自分から必要な情報だけを取りに行き(プル型)、そこで探索を終了させる。

結論:自分という「孤独」を愛するということ

JOMOの本質は、孤独を楽しむ力にあります。 他人の動向を気にするFOMOの波から一度降りて、自分という静かな場所に戻ってきましょう。

「あえて取り残される」ことは、敗北ではありません。むしろ、自分の人生の主権を自分に取り戻す最高の勝利なのです。

深い思索と広い視点を持って、自分の足元にある幸せを噛みしめる。そんな生き方を、今日から始めてみませんか?

私見)これは、自分の判断軸がはっきりしていないと、周りに流されて、どんどん自分の思っていることが、できなくなる状態です。自分の判断軸があれば、迷いも減って、納得感も上がってきます。まず不要な情報を断つことから私は始めました。

最後までお読み頂き、ありがとうございます。

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