配当金生活を断念した理由。70銘柄を売却して気づいた「最高の資産」とは?

投資・資産形成

問いをたてる
憧れの配当金生活を夢見ていた私ですが、投資を続けていくうちに、自分に合っているのか疑問に思うことが度々ありました。今回はその、方向転換をした経緯をまとめてみました。

憧れの「配当金生活」を私が手放した理由

「働かなくてもお金が入ってくる」 そんな夢のような響きを持つ「配当金生活」は、リタイア後を控えた私たちにとって、一種の理想郷のように見えます。私もかつて、その輝かしい未来に胸を躍らせ、一歩を踏み出した一人でした。

しかし、1年ほどかけて出した結論は、**「すべての個別株を売却し、インデックスファンドへ一本化する」**という意外なものでした。

なぜ、私はあんなに欲しかった配当金を捨てたのか。その裏側にあった、時間と心の葛藤についてお話しします。

70銘柄の「管理」という名の見えない労働

最初は楽しかったのです。 自分で企業の業績を調べ、納得した銘柄をコツコツと買い増していく。気づけば保有銘柄は70を超えていました。定期的に振り込まれる配当金は、少額とはいえ「自分の力で稼いだ」という確かな満足感を与えてくれました。

自作の一覧表を作り、毎日のように株価をチェックする。安くなったタイミングを狙って買い増す。そんな日々を過ごしていましたが、ある時、ふと疑問が湧いてきました。

「私は、このために自由な時間が欲しかったのだろうか?」

銘柄が増えれば増えるほど、チェックにかかる時間は膨らんでいきます。「どの株が買い時か」「この銘柄は持ち続けて大丈夫か」という迷いは、次第に私の精神的な余裕を削っていきました。

本来、リタイア後は「やりたかったこと」に時間を使うはずでした。それなのに、現実はパソコンやスマホの画面を眺め、市場の動向に一喜一憂する毎日。誰かに「人生の時間は有限ですよ」と背中を叩かれたような気がしました。

「分配金」という名の、自分を削る罠

さらに、投資を学んでいくうちに、配当金と並んでよく耳にする「分配金」の怖さにも気づきました。

投資信託などから支払われる分配金の中には、運用益からではなく、**「自分が預けた元本を切り崩して」**支払われるものがあります。いわゆる「特別分配金(タコ足配当)」と呼ばれるものです。

【注意】自分の身を削る「タコ足」の恐怖 お腹が空いたタコが、自分の足を食べて空腹をしのぐように、元本を削って分配金を出す仕組みです。通帳の数字は増えても、投資している資産そのものは目減りし、気づけば「元本割れ」という事態を招きかねません。

「毎月お金が入ってくるから安心」という感覚は、実は自分の資産を縮小させているだけかもしれない。このリスクに気づいたとき、私の「配当金へのこだわり」は遠ざかっていきました。


「タイミングを読まない」という精神的安堵感

結果として、私は保有していたすべての個別銘柄を売却することに決めました。幸いにも元本を割り込むことなく、約1年をかけてインデックスファンドへと資金を移し替えました。

そこで気づいたのは、インデックス投資がもたらす圧倒的な**「精神的安堵感」**です。

高配当株投資は、どうしても「安く買って高く持つ」というタイミングが重要になります。常に市場を見張り続ける緊張感がつきまといます。一方で、市場全体に投資するインデックスファンドは、一括でも積立でも、タイミングを計る必要がありません。

「自分の能力で良い銘柄を選び続けるのは難しい」という現実を認め、市場の平均に身を任せる。そう決めた瞬間、肩の荷がスッと軽くなったのを感じました。

3. 「精神的な安堵感」を優先する

インデックスファンドに切り替えて最も変わったのは、市場と向き合う「姿勢」です。

高配当株は、常に「タイミング」を読まなければなりません。しかし、インデックス投資は、一括でも積立でも、市場全体の成長に身を任せるだけです。タイミングを計る必要がないということが、これほどまでに心を穏やかにするとは思いませんでした。

もちろん、今後は自分で資産を取り崩すタイミングを考える必要があります。しかし、「複雑な70銘柄を管理し続けるストレス」に比べれば、「シンプルなルールに従って取り崩す」ことの方が、私にはずっと向いていました。

次の課題は「賢く使う」技術

もちろん、インデックス投資に切り替えたことで、すべてが解決したわけではありません。配当金のように自動でお金が入ってこない分、これからは**「自分で資産を切り崩すタイミング」**を考えていく必要があります。

「貯める」ことよりも、実は「賢く取り崩す」ことの方が難しい。これが、私が今直面している新しい課題です。自分なりにシミュレーションを繰り返し、この「取り崩しの精度」を上げていくことを、これからの目標にしています。

投資は「自分に合うかどうか」がすべて

配当金の仕組みを作るには、深い知識と、何よりそれを継続して学び続ける熱意が必要です。それは素晴らしい投資手法の一つですが、私にとっては、リタイア後の穏やかな時間を優先したかった。ただそれだけのことだったのです。

投資に「正解」はありません。 でも、**「自分の時間を何に捧げるか」**という問いへの答えは、自分の中にしかありません。
私のこの経験が、あなたの理想の資産形成を考えるきっかけになれば幸いです。

私見)投資について、あれこれ考えている時間があれば、その時間を別のことに費やしたらもっと楽しくなるのではないか、という疑問からスタートしています。時間は有限です。この言葉が一番刺さりました。もちろん、働き盛りで現役世代の方々なら、違う方法で良いと思います。時間はまだありますから。自分に合った最適解を求めることですね。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

※免責事項:本記事は個人の体験談であり、特定の投資手法を推奨するものではありません。投資にはリスクが伴います。最終的な決定はご自身の判断で行ってください。


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