世の中にパソコンというものが、なかった頃から仕事をしていた私です。そして、ある日から会社で社員一人一台のパソコンが配布され、悪戦苦闘しておりました。当時エクセルという名の表計算ソフトは、とにかく万能で、ワープロ以外の業務をほぼ網羅できていました。このエクセルに関して、少しでも参考になれば幸いです。
新しく社会人になる方や、これから、会社の業務でパソコンを使用する方が、最初に触れるであろうツール、それが「エクセル(Excel)」です。最初は「升目のついた便利なノート」として使うことから始まるでしょう。しかし、その使い方を一歩間違えると、エクセルはあなたの時間を奪う「迷宮」になってしまいます。
最短距離でExcelの本質を理解し、先々の業務改善を担う力を養うために。避けては通れない**「テーブル」**の知識と、その背後にある思想についてお話しします。
最初の入り口「エクセル方眼紙」からのスタート
Excelを開いて、まずセルの幅を細かくし、罫線を引き、セルを結合して「美しい書類」を作ろうとする。これがいわゆる**「エクセル方眼紙」**的な使い方です。
- なぜ最初は「良い」のか: 見た目が整った書類を直感的に作れるからです。紙の文化に慣れた私たちにとって、最もハードルが低い活用法と言えます。
- なぜそれだけでは「ダメ」なのか: Excelを「お絵かきソフト」や「ワープロ」として使ってしまうと、データの集計や分析といった、Excel本来の強力なパワーがすべて封印されてしまうからです。
マイクロソフトの真意:エクセルの大きな転換点
開発元のマイクロソフトは、かつての自由すぎるエクセルが引き起こす「データの無秩序」を解決するため、2007年に決定的な機能を導入しました。それが**「テーブル」**です。
マイクロソフトの真意は、極めてシンプルかつ強力です。
「見た目(装飾)」と「中身(データ構造)」を完全に分離しなさい。
ユーザーが手作業で色を塗り、罫線を引く手間を省く代わりに、エクセルに「ここがデータの塊である」と認識させる。そうすることで、エクセル自身があなたの意図を汲み取り、自動で計算や拡張を行えるように設計を変えたのです。
このテーブルの概念は、私にとって、「表の仕様がカラフルになったね」ぐらいの感覚で、全く気にせず、理解しようともしませんでした。今思えば、もったいないことをしたと思っています。数年後、そのテーブルの概念がわかると、なんて素晴らしいと思いました。

現場を劇的に変える「テーブル思考」
皆さんに身につけてほしいのは、単なる操作方法ではなく**「テーブル思考」という考え方です。
「入力・加工・出力」の3層分離
テーブル思考を持つ人は、1枚のシートにすべてを詰め込みません。
| 層 | 役割 | 実践すること |
| 入力層(Table) | データの蓄積 | 結合なし、飾りなし。1行1データの「テーブル」形式を守る。 |
| 加工層(Process) | 計算・集計 | 関数やピボットテーブルを使い、Excelに計算を任せる。 |
| 出力層(Output) | 報告・閲覧 | ここで初めて、人間が見やすい「方眼紙的レイアウト」に整える。 |
この3つを分けるだけで、作業ミスは激減し、データの修正にかかる時間はゼロに近づきます。
「根本的な業務改善」への意識
なぜ、ここまで「テーブル」を強調するのか。それは、この知識が**「本当の意味での業務改善」**の鍵になるからです。
- 「作業の速さ」ではなく「仕組みの強さ」: 方眼紙を速く作れるようになるのは「習熟」であって「改善」ではありません。テーブルを使えば、データを1行足すだけで全ての集計やグラフが自動更新されます。「人間が手を下さない時間」を増やすことこそが、真の業務改善です。
- 未来の自分への投資: 正しく蓄積されたテーブルデータは、来月も来年も、あるいはAIを使った高度な分析にもそのまま使い回せる「資産」になります。
「機械が読みやすいデータを整え、自分は考える仕事に集中すること」。これこそが、皆さんが目指すべき現場のリーダーシップの第一歩です。

エクセルは「道具」ではなく「パートナー」
エクセルを「紙」として扱うのをやめたとき、エクセルはあなたの指示を待つだけの道具から、共に課題を解決する強力な「パートナー」へと進化します。
「操作が速い」ことよりも、「構造が正しい」こと。 この価値観の転換こそが、大きな武器になるはずです。エクセルという素晴らしい知能と共に、新しい一歩を踏み出してください。
次の記事にて、このテーブルを利用した具体的な解説記事をあげています、よかったら参考にしてください。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。


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