「定年後、時間ができたはずなのになぜか腰が重い」「新しいことを始めようとしても、つい後回しにしてしまう」……。 私も時々こういった気分に見舞われます。解決策は時間でした。時が過ぎれば、気分も変わり体も動けるだろうと考えていました。しかし、脳の仕組みを学ぶことで、腹落ちしてきました。
原因は、自分の気力が衰えたせいではなかったのです。
実は、人間の脳が「生存のために徹底的にサボる」という超・省エネ設計になっているからです。
脳の仕組みを正しく理解して、もっと賢く、アクティブな生活に変えていきましょう。
なぜ、私たちの脳は「面倒くさい」と感じるのか?
脳は、体重のわずか2%ほどの重さしかありません。しかし、体全体のエネルギーの約20%も消費する、非常に「燃費の悪い」臓器です。
限られたエネルギーを無駄遣いしないよう、脳は常に**「変化を嫌い、現状を維持しよう」**とします。特に、リタイア後の穏やかな生活に慣れてくると、脳は「今のままで安全だ」と判断し、新しい刺激を「余計なコスト」としてシャットアウトしようとするのです。これが「面倒くさい」の正体です。
脳が「サボる」3つのメカニズム
- 自動化(ルーチン化): 意識(前頭前野)を介さず、無意識(大脳基底核)で処理してエネルギーを節約する。
- ヒューリスティック: 過去のデータから「だいたいこう」と推測し、思考をショートカットする。
- 予測符号化: 未来を予想して処理を省く技術
シニアの悩みを「攻略」で解決する
具体的な日常のシーンに、脳の特性を当てはめてみます。
【投資】NISAや資産運用の管理
- 脳の壁: 「銘柄選びや手続きは複雑でエネルギーを使いすぎる!」と脳が悲鳴を上げます。
- 攻略法: **「自動化」**です。一度「つみたて設定」をしてしまえば、脳は「選ぶ」という高コストな作業から解放されます。日々、資産額を細かくチェックするよりも、仕組みに任せて「忘れる」ことこそが、脳にとって最高の省エネ運用です。
【健康】マラソンや日々のウォーキング
- 脳の壁: 「フルマラソン完走」や「1時間歩く」という大きな目標は、脳にとって恐怖のエネルギー消費計画です。
- 攻略法:「2分ルール」と「10分見積もり」。
- 玄関でランニングシューズを履く「2分」だけを目標にする。
- 「10分だけ外の空気を吸いに行く」と脳をダマす。 一度動き出せば、脳の「自動運転モード」がオンになり、気づけば足が前に進んでいるはずです。
【知的好奇心】AI活用やブログ執筆
- 脳の壁: 「最新技術は難しそう」「文章を書くのは骨が折れる」と脳がブレーキをかけます。
- 攻略法:「既存の習慣への連結」。
- 「朝のコーヒーを飲む間に、AI(GeminiやChatGPT)に今日のニュースを聞く」。
- 「散歩のあとの10分だけ帰宅後、散歩中に考えた事をAIと会話する。すでに定着している習慣に「付け足す」だけなら、脳は抵抗感なく受け入れます。
3. 脳のエネルギーを温存する「環境設計」
決断の数を減らすことが、脳のエネルギー低下を少なくします。
| 項目 | 脳を疲れさせる行動 | 脳を楽にするハック(対策) |
| 毎日の服 | 朝、「何を着ようか」と迷う | 前日の夜に、着る服をセットしておく |
| 食事 | 「何を食べようか」と毎回悩む | 献立をある程度パターン化する |
| 家事 | 「後でやろう」と考える | 10分タイマーをかけ、その間だけ集中する |
| 情報収集 | ネットをダラダラ見続ける | 情報を得る時間を「朝の1回」などに固定する |

英語圏と日本の「老い」への視点
- 英語圏: 「リタイアは第二のスタート」。脳を**「ハック(攻略)」**して、いかに効率的に新しい成果を出すかに注力します。
- 日本: 「型」や「日課」。毎日の積み重ねを重んじ、**「自動化」**の力で自然に健康や徳を積むことを得意とします。
【結論】: 両方の良いとこ取りをします。日本の**「型(ルーチン)」の強みを活かしつつ、英語圏の「10分で見積もる合理性」**を取り入れる。
結論:脳は「10分」なら付き合ってくれる
脳は「一生頑張れ」と言われると逃げ出しますが、**「10分だけ助けて」**と言えば快く力を貸してくれます。
もし今、得体の知れない「大きな悩み」や「やり残していること」があれば、それを「10分でできる小さな作業」に切り分けてみてください。それだけで、脳は驚くほど軽やかに動き出します。
脳の仕組みを理解して、気分のコントロールをしましょう。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。


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