「いい人そう」な銀行員に弱い父。断れない心理をAIに分析させたら、”おもてなし”が引き起こす「脳のバグ」が判明した話 Vol.6

AI

【本記事について】 このシリーズは、**「もし金融知識ゼロのシニアが、銀行のパンフレットをAIに読み込ませたらどうなるか?」**を検証するドキュメンタリー風記事です。 実際のパンフレットやデータを使用していますが、会話パートなどはAI活用をわかりやすく伝えるための構成となっています。

はじめに:敵は「商品」ではなく「空気」だった

Vol.1からVol.5まで、私はAIという武器を使って、銀行商品の「数学的な罠」を見抜く力をつけてきました。 「もう騙されない。論破してやる」 そんな自信を胸に、私は久しぶりに銀行の窓口(予約制の資産運用相談)へ向かいました。

しかし、結果から言うと、私は危うく契約しかけました

通されたのは、ふかふかのソファがある豪華な個室。 担当者は、私の娘ほどのお嬢さんで、本当に申し訳なさそうな笑顔でこう言うのです。 「〇〇様、わざわざ足元の悪い中ありがとうございます。温かいコーヒーをお持ちしました」

世間話を15分ほどして、すっかり打ち解けた頃に「新商品」のパンフレットが出てきました。 中身がイマイチなのは一目でわかりました。でも、私の口から出た言葉は「NO」ではなく、「……まあ、少し検討してみるよ」という弱気な返事でした。

「あんなに親切にしてくれたのに、無下に断るのは悪いな……」 帰り道、私は自己嫌悪に陥りました。なぜ数字が読めるようになっても、私は断れないのか? 帰宅後、この「敗北感」の正体をAIに分析してもらいました。

AIの指摘1:コーヒーは「タダ」ではない(返報性の原理)

AIはまず、最初に出された「コーヒー」と「親切な態度」について、行動経済学の観点から指摘しました。

AI: 「それは**『返報性の原理』**という心理効果です。人間には『何かをもらうと、お返しをしなければならない』と無意識に感じる本能があります。 銀行がコストをかけて豪華な応接室や無料の飲み物を用意するのは、あなたに『借りのある状態』を作らせ、心理的に断りづらくさせるための高度な戦略です」

AIは冷徹にこう続けました。

AI: 「そのコーヒー一杯の原価は数十円ですが、それによってあなたが契約しそうになった手数料は数十万円です。 AIには『お返し』という感情がないので数字だけで判断できますが、人間にはそれが一番難しいことなのです

AIの指摘2:制服と立派なビル(権威バイアス)

次にAIが挙げたのが**「権威バイアス」**です。

AI: 「立派な石造りの建物、行員のきちんとした制服、名札。『銀行=お金のプロ=正しい』と脳が自動的に思い込むバイアスがかかっています。 しかし、彼らは『運用のプロ』ではなく『販売のプロ』です。 もし同じ商品を、Tシャツ短パンの若者が道端で売っていたら、あなたは買いますか? おそらく怪しんで買わないでしょう」

言われてみればその通りです。私は「商品」ではなく、「銀行員という権威」を信用していただけでした。

AIの指摘3:「みんな買ってます」の同調圧力

担当者が最後に言った「退職された皆様、このプランを選ばれていますよ」という言葉。これにもAIは警告を出しました。

AI: 「これは**『社会的証明』**という心理テクニックです。人は不安な時、『みんなと同じ行動』を取ろうとします。 しかし、投資の世界では『みんなと同じ(大衆心理)』動くことは、往々にして『カモになる』ことを意味します」

結論:AIという「感情のない参謀」を連れて行く

人間である以上、笑顔を向けられれば情が湧きますし、親切にされれば断りづらくなります。これは「優しさ」ゆえの弱点であり、恥じることではありません。 だからこそ、**「感情を持たないAI」**を間に挟むことが最強の防衛策になります。

  • AIはコーヒーを飲みません。
  • AIは笑顔に弱くありません。
  • AIは空気を読みません。

窓口で心が揺らいだら、トイレに立ってスマホでAIにこう打ち込んでください。 「今、すごくいい人そうな担当者に勧められているけど、数字だけで見るとどう?」

AIの冷徹なテキストメッセージが、熱くなった頭を一瞬で冷やしてくれるはずです。

【コピペOK】AIへの相談プロンプト(心理編)

窓口に行って「断りづらい空気」になった時、あるいは帰宅後に冷静になるために使ってください。

あなたは冷徹で論理的な行動心理学者です。
銀行の窓口で以下のセールストークを受け、心が揺らいでいます。
この状況に働いている「心理バイアス(脳の錯覚)」を指摘し、
私が冷静さを取り戻せるようなアドバイスをください。

【言われたこと・状況】
・「皆様このプランを選ばれています」と言われた
・立派な個室に通され、コーヒーと粗品をもらった
・「今日だけの特別金利です」と急かされている
・担当者がとても親切で、断ると申し訳ない気がする

【質問】
これらは私の「資産形成」にとって合理的な判断材料ですか?
それとも単なる「販売テクニック」ですか?

おわりに

「いい人」と「いい商品」は、別物です。

私たちはつい、「親切な人だから、変なものは勧めないだろう」と思ってしまいます。 しかし、銀行員自身もノルマに追われ、その商品が「客にとって損」だと知りながら売っている場合さえあります。

「人」と「商品」を切り離して考える。 それができない時は、AIに判断を委ねる。 これこそが、情に流されやすい私たちが身につけるべき、最後の防具です。

最後までお読み頂き、ありがとうございます。

【免責事項】 本記事は、資産運用に関する一般的な情報提供および、AIツールの活用事例を紹介するものであり、特定の金融商品の勧誘や売買の推奨を目的としたものではありません。

  1. AIによる分析について 記事内で提示しているシミュレーションや計算結果は、生成AIが公開情報に基づき推計したものであり、その正確性や完全性を保証するものではありません。実際の契約条件や手数料については、必ず当該商品の目論見書や契約締結前交付書面をご自身でご確認ください。
  2. 投資判断について 投資には元本割れを含むリスクが伴います。本記事の情報を参考にされた結果生じたいかなる損害についても、筆者は一切の責任を負いかねます。最終的な投資判断は、必ずご自身の責任において行ってください。

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