〜フルマラソンと退職後の日々が教えてくれた「前に進む力」〜
「時間は、前にしか進まないんだ」。
朝起きて、コーヒーを淹れて、思考に耽る。その一分一秒が、二度と戻ってこない使い切りのチケットみたいで、なんだか不思議な感覚になりませんか?
この「止まらない流れ」を象徴する言葉に、「Show must go on」というものがあります。


「ショーを止めるな」に込められた覚悟
日本だと「さあ、次に行こう!」くらいの明るいニュアンスで使われがちですが、英語圏ではもう少し「ヒリヒリするようなプロ根性」が混じっています。
役者が転んでも、照明が落ちても、幕は上がっている。どんなに個人的に辛いことがあっても、観客の前では「役」を演じきる。
つまり、「自分の都合で時間は止められないし、世界という舞台も止まってくれない。だったら、最後までやり遂げるしかないよね」という、静かでタフな覚悟の言葉なのです。
フルマラソンで思い知った「巻き戻せない現実」
この覚悟を、私は身をもって経験しています。フルマラソンです。
毎回、スタートとともに飛び出す。20キロ、25キロと過ぎていくと、やはりきつくなってくる。足が前に進まない。
「こんなきついフルマラソンなんてエントリーしなきゃよかった」
毎回そう思います。楽しんで走ろう、道中を楽しめばいいんだと自分に言い聞かせても、必ず襲ってくるこの苦しい時間。自らの意思でエントリーして、走ることを決めたはずなのに、毎回この気持ちに翻弄されます。
でも、この苦しい時間帯をクリアしてゴールするには、ただひたすら走り続けるしかない。解決策は「走るだけ」という、あまりにもシンプルな現実。
経験上、苦しい時は必ず来る。そして無心に走れる時も必ず来る。そう言い聞かせて、一歩ずつ進んでいく。
苦しい時は、気分を紛らわすためにエイドでしっかり補給する。沿道で声援してくれる人たちに手を振って応える。そうしていくうちに、不思議と気持ちが変わってくる。
苦しさは、気持ちの切り替え次第であることに気づく瞬間があるのです。
コースを逆走してスタートに戻ることはできない。時間は巻き戻せない。だからこそ、前に進むしかない。まさに「Show must go on」です。
退職後の日々も、同じだった
これはマラソンだけの話ではありません。
定年退職したとき、私は生活設計がうまく描けていませんでした。将来の不安がぐるぐると頭を回る日々。立ち止まりたくても、時間は止まってくれません。
そこで私がやったのは、ただひたすらアルバイトに明け暮れることでした。将来のことを考えすぎず、「今」に集中しました。
フルマラソンで苦しい時にエイドで補給するように、目の前のことに一つずつ取り組んでいく。すると、マラソンと同じように、少しずつ気持ちが変わってきました。
そのおかげで、今は考える時間ができています。退職直後に「完璧な計画を立てなければ」と焦っていたら、きっとこの落ち着いた時間は生まれなかったでしょう。
投資も「前にしか進めない」
投資も同じです。
昨日の暴落を悔やんでも、時間は戻りません。「あの時に売っておけば」「あの時に買っておけば」と思っても、過去の判断はもう変えられない。
私たちにできるのは、今の資産配分を見直し、未来のリターンを信じて持ち続けることだけです。マラソンで「走り続けるしかない」のと同じように、投資も「持ち続けるしかない」。シンプルですが、それが最も確実な方法なのだと感じています。
まとめ:今日のステージを精一杯
時間は残酷です。でも、やり直しがきかないからこそ、今日の一歩に価値がある。
どんなに不器用でも、どんなにスローペースでも、幕が上がっている以上、私たちはこの人生という「Show」の主役です。
フルマラソンで学んだこと。退職後の日々で気づいたこと。それは、苦しい時間は必ず終わる。そして、走り続けた先にしか見えない景色があるということです。
「Show must go on」――。
今日も、そして明日も。それぞれの足取りで、前へと進んでいきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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