ChatGPTなどの「生成AI」が登場したとき、多くの人が「ついにAIが知性を持った!」と驚きました。しかし、その仕組みを紐解くと、実は非常にシンプルで強力な**「確率の計算」**に行き着きます。
1. 超高性能な「しりとりマシン」
生成AI(特に大規模言語モデル:LLM)がやっていることを一言で言うと、**「次に来る確率が最も高い言葉を当てるゲーム」**です。
例えば、「吾輩は猫で……」という文章があったとき、次に来る言葉を予測させます。
- ある確率:80%
- 食べる確率:5%
- 寝る確率:2% AIは膨大な読書経験(学習データ)から、「『猫で』の後には『ある』が来る確率が高い」と判断して、文字を繋げているだけなのです。
例え:超高性能な「連想ゲーム」 プロの連想ゲームプレイヤーが、過去に読んだ全世界の本の記憶を頼りに、「このキーワードの次には、この言葉を置くのが一番自然だよね」と、猛烈なスピードでパズルを完成させていくようなイメージです。
2. なぜ「嘘」をつくのか?(ハルシネーション)
AIが自信満々に嘘をつく現象を**「ハルシネーション(もっともらしい嘘)」と呼びます。 これは、AIが「事実」を覚えているのではなく、あくまで「言葉の並びの確率」**で文章を作っているために起こります。
【イメージ:文章生成の流れ】
- 入力: 「空の色は何色?」
- 計算: 「空」「色」という単語に関連する言葉の出現確率を計算。
- 出力: 「青」「です」を順番に選択。
- ※このとき、たまたま確率の計算がズレると、「緑色です」と堂々と答えてしまうことがあります。

3. 日本と英語圏の比較:生成AIへの向き合い方
生成AIの爆発的な普及の中で、日米のスタンスの違いが明確になっています。
- 日本の視点: **「創作のパートナー」**としての活用が目立ちます。イラスト生成や小説の執筆補助など、エンタメや個人のクリエイティビティを拡張するツールとして熱狂的に受け入れられています。
- 英語圏の視点: **「生産性のブースター(増幅器)」**としての側面を追求しています。コーディング、膨大な資料の要約、メールの自動返信など、「ホワイトカラーの仕事をいかに自動化し、労働時間を削るか」という実利に直結した使い方が主流です。
「楽しむ日本」と「稼ぐ英語圏」。この両方の視点を持つことで、AIをより多角的に活用できるようになります。
第4回の内容は以上です。 次はシリーズ最終回、**「AIとの共生〜RAGやCoTでAIを賢い相棒にする方法〜」**です。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
免責事項 本記事に掲載されている情報は、執筆時点(2026年2月)の技術水準に基づくものです。AI技術は急速に進化しているため、最新の仕様とは異なる場合があります。また、AIの動作原理を分かりやすく説明するために概念を簡略化しており、厳密な数学的定義とは一部異なる箇所があります。

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