定年退職後に静かに始まった、心の中の変化

老後生活設計

退職後に気付いた自分のマインド

――「雇われること」が大前提だった固定した思考

退職してしばらく経ち、ようやく言葉にできるようになった「自分のマインドの変化」があります。それは特別なことではなく、むしろ、30年以上のサラリーマン生活から染みついた自然な思考だったと思います。

正社員という「レール」に、どれほど守られていたか

正社員として働いていた現役時代

  • 雇用は基本的に継続する
  • 毎月の収入は大きく変動しない
  • 多少無理をしても「会社がある」という安心感

これらは、当たり前の事で、何の疑いもなかった。

これらを 自分の能力や実力だと誤認 していたことに、退職後はっきり気付きました。

非正規雇用の立場になると、おおよそ1年単位の契約更新などになり、長期的な雇用継続は保証されていません。これは日本特有というより、英語圏ではむしろ当たり前の感覚だそうです。「仕事は流動的」「収入は変動する」前提で生活設計がされており、個々人の生きる力なるものが、あって当たり前だということです。


「雇われマインド」──仕事をしていないと不安になる

退職後、最初に襲ってきたのは

「仕事をしていない自分が受け入れられなかった」 ということでした。

収入がある・ない以前に、

・平日昼間に家にいることへの違和感

・「早く何か仕事をしなければ」という焦り

これはまさに 雇われマインド でした。

英語圏では、キャリアブレイクという、人生や社会との関係を見つめ直す充電期間の概念が、   比較的自然に受け入れられていますが、日本では

「仕事=常にしているもの」

という価値観が強く、無職期間=不安定・危険、という認識が根深いと感じました。


コールセンターでのつまづきと学び

とにかく、仕事を再スタートしないといけないという気持ちから、 久しぶりにチャレンジ精神にてエントリー。幸運にもコールセンターにて新規事業スタートで募集があり、運よく採用となった。      長いこと営業職を続けてきた身としては、

「電話対応くらい余裕だろう」

と高を括ってスタートしたコールセンター業務。

しかし現実は、

  • より丁寧な言い回しが求められる
  • 自分の言うべき事以上に、相手の話にしっかり向き合う
  • 委託会社の窓口としての対応を求められ、緊張している時間が多かった

結果は、自分の考えが、甘かったことが証明されることとなりました。幸い、時間が経つにつれ、同じ部署で、他メンバーとのコミュニケーションもよく取れるようになり、わからないところは、教え合ったりして、学びもある、良い機会となりました。おそらく、前職場では得られなかった学びがたくさんありました。

それでも消えなかった「仕事していない不安」

短時間バイトを始めても、完全には不安は消えませんでした。この段階で気付いたのは、     不安の正体は「収入」ではなく

「所属していない状態への不安」 だったということです。

仕事で、どこかへ所属している事で、自分の居場所を確認できるという感覚でした。


収入半減と住居の判断──マンションを処分して正解だった

退職後、収入は、現実的に大きく目減りしました。今振り返ると、マンションを処分していなければ、住宅ローンは確実に重荷 になっていたと思います。生活費を確保することさえも、大変難しい状況になっていたことでしょう。

失業保険給付という「考えるための時間」

ここで、次の仕事をじっくり、考えてみたかったので、失業保険を受給することにしました。   あえて「働かない時間」を持ったことで、ようやく雇われマインドが緩み始めました。

ここで感じたのは、

「時間があることで思考が回復する」 という事実です。

いわゆる、キャリアブレイクを自ら選択することにより、本当に自分のやりたい事や、やりたかった事を、具体的に考えられる、とても貴重な時間となりました。


家計簿の精度が、人生設計の精度を上げた

もう一つ、大きかったのが、家計簿習慣による、ライフプランの見直しです。

  • 支出の把握精度が上がる
  • 固定費と変動費の区別が明確になる
  • 年間生活費予算の精度が上がり 「いくらあれば生きていけるか」が見えてくる

そうすると

  • 「急いで働かなくていも良い」
  • 「じっくり考える余地がある」

という判断ができるようになりました。

これは感情論ではなく、

数字が不安を可視化し、縮小してくれた成果です。


まとめ

退職後に気付いたのは、

「仕事を失った」のではなく

「前提としていた思考の枠がなくなった」 ということでした。

しかし、それはむしろ異常ではなく、長年のサラリーマン生活からすると、自然な反応です。雇われマインドは、時間と数字によって、少しずつ解けていくものだと、今は実感しています。

皆さんも、自分のことを、たっぷりと時間を確保して考えてみるのも良いかもしれません。普段気づかなかった事や、自分が求めている価値は何か。など一度見つめ直す良い機会かもしれません。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

コメント