【本記事について】 このシリーズは、**「もし金融知識ゼロのシニアが、金融商品のパンフレットをAIに読み込ませたらどうなるか?」を検証するドキュメンタリー風記事です。 今回は、AIに「解説」ではなく「徹底的なコスト計算」**を指示し、変額保険の正体を数字で解き明かします。 ※記事内の数値は一般的な商品モデルに基づく試算です。実際の手数料率は商品ごとに異なるため、必ずご自身の手元にある設計書で検証(再計算)してください。
はじめに:印象と、数字の現実は違う
「変額保険」のパンフレットには、「資産形成」や「万が一の安心」といった魅力的な言葉が並んでいます。 もしAIに「この商品の魅力を教えて」と聞けば、AIはパンフレットの言葉を学習し、メリットを要約して返してくるでしょう。
しかし、私が知りたいのは言葉上のメリットではありません。**「財布から出ていくお金の正体」**です。 そこで私は、パンフレットの裏面にある「契約概要(小さな数字の表)」を撮影し、AIにこう指示しました。
「感情や定性的な評価は一切不要です。この商品にかかる『全てのコスト』を数値化し、NISAと比較して『最終手取り額』がどうなるか計算してください」
AIが弾き出したのは、イメージとは異なる「数字の現実」でした。
検証1:見えない手数料「年率3%」の重み
まず、AIに運用コストの正体を分析させました。 パンフレットには「信託報酬(運用コスト)0.X%」と小さく書いてありますが、AIの計算によると、それが全てのコストではありませんでした。
AIによる計算結果(モデル試算): 変額保険の実質コスト構造(加入後10年間平均の推計)
- 運用関係費(信託報酬等): 約 0.1% 〜 0.5%
- 保険関係費(保障コスト等): 約 2.0% 〜 3.0%
合計実質コスト: 年率 約 2.5% 〜 3.5%
AIは冷徹に比較表を出しました。
| 比較項目 | NISA(インデックス投信) | 変額保険(モデルケース) |
| 年間コスト | 約 0.1% | 約 3.0% |
| 100万円預けた場合 | 年間1,000円 | 年間30,000円 |
「保障と運用がセット」という仕組みの裏には、NISAの約30倍もの手数料が含まれていました。これでは、いくら世界株が成長しても、利益の大部分がコストとして相殺されてしまいます。
検証2:「解約控除」による資金の固定化
次に、AIに「もし途中で辞めたらどうなるか?」をシミュレーションさせました。 変額保険には「解約控除(かいやくこうじょ)」というペナルティが存在します。
AIによるシミュレーション(モデル試算): 条件:契約から5年後に、急な出費で解約した場合
- 積立総額: 300万円
- 運用益: +30万円(好調だったと仮定)
- 解約控除(ペナルティ): -40万円
返戻金: 290万円(元本割れ)
NISAなら330万円まるごと受け取れる場面でも、変額保険では**「ペナルティ」が「利益」を食いつぶし、結果として元本割れしました。 数字で見れば、契約から一定期間は「自由にお金を引き出せない期間(ロック期間)」**が存在することになります。
検証3:「混ぜる」vs「分ける」の最終決算
最後に、AIに20年間の長期シミュレーションを依頼しました。 「変額保険一本」にするのと、「NISA(投資)+掛け捨て保険(保障)」に分けるのと、どちらが数学的に有利なのか?
AIによる20年後の資産試算: 条件:毎月3万円を拠出、年利5%で運用できたと仮定
A案:変額保険(一本化)
- 高いコストが複利効果を抑制
- 20年後の受取額: 約 1,050万円
B案:NISA 2.7万円 + 掛け捨て保険 3,000円(分離案)
- NISAの低コストが複利効果を最大化
- 20年後の受取額(NISA残高): 約 1,230万円
【差額】 約 180万円
AIの結論はシンプルでした。 「商品を分けるだけで、保障内容は同じまま、手元に残るお金が180万円増えます」
これが、パッケージ商品のコスト構造です。 「セット」を選択することで、私たちは180万円もの追加コストを負担している可能性があるのです。

結論:ご自身の手元にある数字で検証を
今回の検証でわかったこと。それは、**「イメージで判断せず、計算結果で判断する」**ことの重要性です。
AIに「どう思いますか?」と聞いてはいけません。 これからは、こう指示してください。
「コストを年率換算して。NISAと比較して、20年後の受取額にいくら差が出るか計算して」
その数字を見たとき、パンフレットの印象とは異なる、「割高な金融商品」という現実が見えてくるはずです。 ぜひ、お手元の設計書をご自身でAIに入力し、その目で数字を確認してください。
【コピペOK】AIへの計算依頼プロンプト(数字検証版)
感情抜きの数字を出させるための、厳密な指示プロンプトです。
あなたは冷徹な会計士です。
私が検討している「変額保険」の設計書データに基づき、以下の数値を算出してください。
定性的な評価(安心、便利など)は一切不要です。
- コストの数値化
「保険関係費」「運用関係費」「解約控除」を全て加味した、
契約後10年間の「実質負担コスト(年率換算)」は何%になりますか? - NISAとの比較シミュレーション
条件:毎月〇万円を20年間積み立て、年利4%で運用
A:この変額保険のみ
B:NISA(コスト0.1%)+別途掛け捨て保険(月額〇〇円) 20年後の「手取り資産額」の差額(B - A)を円単位で答えてください。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
【免責事項】 本記事は、資産運用に関する一般的な情報提供および、AIツールの活用事例を紹介するものであり、特定の金融商品の勧誘や売買の推奨を目的としたものではありません。
- AIによる分析について 記事内で提示しているシミュレーションや計算結果は、一般的な商品モデルに基づく推計であり、その正確性や完全性を保証するものではありません。実際の手数料率や解約控除額は、保険会社や契約内容によって異なります。必ず当該商品の目論見書や契約締結前交付書面をご自身でご確認ください。
- 投資判断について 投資には元本割れを含むリスクが伴います。本記事の情報を参考にされた結果生じたいかなる損害についても、筆者は一切の責任を負いかねます。最終的な投資判断は、必ずご自身の責任において行ってください。


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